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第66条の2《特定の一般社団法人等に対する課税》関係

目次

(純資産額の意義)

66の2―1 法第66条の2第1項に規定する純資産額(以下66の2―1及び66の2―7において「純資産額」という。)は、同条第2項に規定する特定一般社団法人等(以下66の2―7までにおいて「特定一般社団法人等」という。)が、同条第1項に規定する被相続人(以下66の2―7までにおいて「被相続人」という。)の相続開始の時において有する財産及び債務に基づき算定するのであるが、この場合における財産の価額の算定等については次によることに留意する。(平30課資2-9追加)

(1) 財産の価額は、当該被相続人の相続開始の時における法施行令第34条第2項に規定する時価によるのであるが、この場合の時価とは、評価基本通達の定めにより算定した価額(同項に規定する地上権、永小作権又は定期金給付契約に関する権利にあっては、法第23条から第25条までの規定に準じて評価した金額)をいう。
なお、特定一般社団法人等が有する財産からは、当該特定一般社団法人等が信託の受託者として有するもの及び当該被相続人から遺贈により取得したものは除かれることに留意する。

(注) 上記の地上権、永小作権又は定期金給付契約に関する権利の評価については、23―1から25―1までの取扱いに準ずることに留意する。

(2) 債務の価額は、法施行令第34条第1項第2号に掲げる金額の合計額によるのであるが、その算定については、次による。

イ 同号イの債務の金額は、当該被相続人の相続開始の時の現況による。
 なお、特定一般社団法人等が有する債務は、当該被相続人の相続開始の際現に存するものであって、確実と認められるものに限り、特定一般社団法人等が信託の受託者として有するものは除かれることに留意する。

(注)

1 債務が確実と認められるかどうかについては、14―1から14―4までの取扱いに準ずる。なお、特定一般社団法人等が設定した貸倒引当金、退職給与引当金、納税引当金その他の引当金及び準備金に相当する金額は、法施行令第34条第1項第2号イの債務に当たらないことに留意する。

2 特定一般社団法人等に課される国税又は地方税であって当該被相続人の相続開始以前に納税義務が成立したもので、当該相続開始以前に納付すべき税額が確定したものは、同号ロの国税又は地方税から除かれているのであるが、同号イの債務に含まれることに留意する。

ロ 同号ハの給与については、3―18から3―33までの取扱いに準ずる。

ハ 同号ニの特定一般社団法人等が有する基金の額は、当該被相続人の相続開始の時における当該基金の額による。

(3) 財産の価額の合計額を債務の価額の合計額が上回る場合には、特定一般社団法人等の純資産額は零となる。

(相続開始の時における同族理事の数の意義)

66の2―2 法第66条の2第1項の「その時における当該特定一般社団法人等の同族理事の数」は、被相続人に係る相続開始直後の同条第2項第2号に規定する同族理事(以下66の2―4までにおいて「同族理事」という。)の数によることに留意する。(平30課資2-9追加)

(注) 当該被相続人と同時に死亡した者がある場合において、その死亡した者が次の(1)又は(2)に掲げる者に該当するときは、その死亡した者の数は、同族理事の数に加算することに留意する。

(1) その死亡の直前において当該特定一般社団法人等の同族理事である者

(2) 当該特定一般社団法人等の同族理事でなくなった日から5年を経過していない者であって当該被相続人と法施行令第34条第3項に規定する特殊の関係のあるもの

(相続開始前5年以内における同族理事の数の理事の総数に占める割合の判定)

66の2―3 法第66条の2第2項第3号ロの割合が2分の1を超える期間の合計が3年以上であるかどうかの判定については、次によることに留意する。(平30課資2-9追加)

(1) 理事である期間は、同項第1号に規定する一般社団法人等(以下66の2―4及び66の2―8において「一般社団法人等」という。)の理事が、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第63条((選任))(同法第177条((一般社団法人に関する規定の準用))において準用する場合を含む。)の規定に基づき選任された日からその退任の日又は解任の日までの期間による。

(2) 被相続人の相続の開始前5年以内の各時における同項第3号ロの割合の計算は、当該各時において当該被相続人に係る同族理事に該当する理事の数及び当該各時の理事の総数に基づき行う。

(注) 法施行令第34条第6項に規定する被合併法人同族理事(以下66の2―4において「被合併法人同族理事」という。)の数についても同様であることに留意する。

(一般社団法人等が合併法人である場合)

66の2―4 一般社団法人等が、被相続人の相続開始前5年以内に行われた合併に係る法施行令第34条第5項に規定する合併法人である場合には、次によることに留意する。(平30課資2-9追加)

(1) 当該被相続人が、同項に規定する被合併法人(以下66の2―4において「被合併法人」という。)の理事であったときは、当該被相続人は当該一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者とみなされる。

(2) 当該一般社団法人等に係る被合併法人が複数あるときの被合併法人同族理事の数の被合併法人の理事の総数に占める割合の判定は、被合併法人ごとに行い、その割合が2分の1を超える期間については、当該一般社団法人等に係る法第66条の2第2項第3号ロの2分の1を超える期間に該当するものとみなされる。

(「課された贈与税及び相続税」の意義)

66の2―5 法第66条の2第3項に規定する「課された贈与税及び相続税」には、特定一般社団法人等が贈与及び遺贈により取得した財産に対して法第66条第4項において準用する同条第1項又は第2項の規定により課されるべき贈与税及び相続税(更正又は決定をすることができなくなった贈与税及び相続税を除く。)も含まれるものとして取り扱うものとする。この場合において、当該贈与税及び相続税については、速やかに課税手続をとることに留意する。(平30課資2-9追加、令5課資2-12改正)

(特定一般社団法人等が相続開始の年において被相続人から贈与を受けている場合)

66の2―6 特定一般社団法人等が、被相続人の相続開始の年において当該被相続人から贈与により財産を取得している場合には、法第66条の2第5項の規定により当該財産の価額については法第19条第1項の規定の適用はないのであるが、当該贈与について法第66条第4項において準用する同条第1項又は第2項の規定の適用がある場合には、当該贈与による財産の取得につき当該特定一般社団法人等に贈与税が課されることに留意する。(平30課資2-9追加)

(注) 上記により課された贈与税の税額については、法施行令第34条第7項に規定する控除対象金額に含まれることに留意する。

(被相続人から特定一般社団法人等に対し遺贈があった場合)

66の2―7 被相続人の死亡について特定一般社団法人等に法第66条の2第1項の規定の適用がある場合において、当該特定一般社団法人等が当該被相続人から遺贈により財産を取得しているときは、次によることに留意する。(平30課資2-9追加)

(1) 当該財産は、当該特定一般社団法人等の純資産額の算定の基礎となる財産から除かれること。

(2) 当該財産の取得につき法第66条第4項の規定の適用により相続税が課される場合には、次の取扱いとなること。

イ 当該特定一般社団法人等に係る相続税の課税価格は、当該財産の価額と法第66条の2第1項の規定により遺贈により取得したものとみなされる金額との合計額による。

ロ 法第66条第5項の規定より相続税の額から控除する同項の法人税その他の税の額に相当する額は、同項の規定による控除前の相続税の額に当該財産の価額がイの課税価格に占める割合を乗じて計算した金額が限度となる。

ハ 当該被相続人の死亡について当該特定一般社団法人等に課された相続税の税額には、法第66条の2第3項の規定は適用されない。

(平成30年3月31日以前に設立された一般社団法人等に係る平成30年改正法附則による経過措置について)

66の2―8 所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)附則第43条第5項((相続税法の一部改正に伴う経過措置))の規定により、一般社団法人等が平成30年3月31日以前に設立されたものである場合には、法第66条の2の規定は、令和3年4月1日以後の当該一般社団法人等の理事である者(当該一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者を含む。)の死亡に係る相続税について適用されることに留意する。
 この場合において、平成30年3月31日以前の期間は、同条第2項第3号ロの2分の1を超える期間に該当しないものとされていることに留意する。(平30課資2-9追加、令元課資2-10改正)

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