(居住用不動産の範囲)
21の6-1 法第21条の6第1項の規定による贈与税の配偶者控除の適用を受けられる者(以下21の6─9までにおいて「受贈配偶者」という。)が取得した次に掲げる土地若しくは土地の上に存する権利(以下21の6-1、21の6-2及び21の6─9において「土地等」という。)又は家屋は、同項に規定する居住用不動産(以下21の6─9までにおいて「居住用不動産」という。)に該当するものとして取り扱うものとする。(昭41直審(資)5追加、昭44直審(資)1、昭50直資2-257、昭57直資2-177、平19課資2-5、課審6-3、令2課資2-10改正)
- (1) 受贈配偶者が取得した土地等又は家屋で、例えば、その取得の日の属する年の翌年3月15日現在において、店舗兼住宅及び当該店舗兼住宅の敷地の用に供されている土地等のように、その専ら居住の用に供している部分と居住の用以外の用に供されている部分がある場合における当該居住の用に供している部分の土地等及び家屋
なお、この場合において、その居住の用に供している部分の面積が、その土地等又は家屋の面積のそれぞれのおおむね10分の9以上であるときは、その土地等又は家屋の全部を居住用不動産に該当するものとして差し支えない。 - (2) 受贈配偶者がその者の専ら居住の用に供する家屋の存する土地等のみを取得した場合で、当該家屋の所有者が当該受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の親族であるときにおける当該土地等
なお、この場合における土地等には、受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の親族の有する借地権の設定されている土地(いわゆる底地)及び配偶者居住権の目的となっている家屋の敷地の用に供される土地等を含むことに留意する((3)において同じ。)。 - (3) 受贈配偶者が店舗兼住宅の用に供する家屋の存する土地等のみを取得した場合で、当該受贈配偶者が当該家屋のうち住宅の部分に居住し、かつ、当該家屋の所有者が当該受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の親族であるときにおける当該居住の用に供している部分の土地等
(店舗兼住宅等の居住用部分の判定)
21の6-2 受贈配偶者の居住の用に供している家屋のうちに居住の用以外の用に供されている部分のある家屋及び当該家屋の敷地の用に供されている土地等(以下21の6-3において「店舗兼住宅等」という。)に係る21の6-1に定めるその居住の用に供している部分は、次により判定するものとする。(昭57直資2-177追加)
- (1) 当該家屋のうちその居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とする。
- (2) 当該土地等のうちその居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とする。
(店舗兼住宅等の持分の贈与があった場合の居住用部分の判定)
21の6-3 配偶者から店舗兼住宅等の持分の贈与を受けた場合には、21の6-2により求めた当該店舗兼住宅等の居住の用に供している部分の割合にその贈与を受けた持分の割合を乗じて計算した部分を居住用不動産に該当するものとする。
ただし、その贈与を受けた持分の割合が21の6-2により求めた当該店舗兼住宅等の居住の用に供している部分(当該居住の用に供している部分に受贈配偶者とその配偶者との持分の割合を合わせた割合を乗じて計算した部分をいう。以下21の6-3において同じ。)の割合以下である場合において、その贈与を受けた持分の割合に対応する当該店舗兼住宅等の部分を居住用不動産に該当するものとして申告があったときは、法第21条の6第1項の規定の適用に当たってはこれを認めるものとする。また、贈与を受けた持分の割合が21の6-2により求めた当該店舗兼住宅等の居住の用に供している部分の割合を超える場合における居住の用に供している部分についても同様とする。(昭57直資2-177追加、平6課資2-114、平20課資2-10改正)
(注) 相続の開始の年に当該相続に係る被相続人から贈与により取得した居住用不動産で特定贈与財産に該当するものについて法第21条の6第1項の規定を適用する場合において、19-10により21の6-3のただし書に準じて当該居住用不動産に該当する部分の計算を行っているときは、同項の適用を受ける居住用不動産は21の6-3のただし書により計算するものとする。
(家屋の増築)
21の6-4 法第21条の6第1項に規定する「取得」には、家屋の増築を含むものとする。(昭41直審(資)5追加、昭50直資2-257改正)
(居住用不動産と同時に居住用不動産以外の財産を取得した場合)
21の6-5 配偶者から贈与により取得した金銭及び当該金銭以外の資金をもって、居住用不動産と同時に居住用不動産以外の財産を取得した場合には、法第21条の6第1項の規定の適用上、当該金銭はまず居住用不動産の取得に充てられたものとして取り扱うことができるものとする。(昭41直審(資)5追加、昭50直資2-257改正)
(適用の順序)
21の6-6 法第21条の6第1項の規定の適用を受ける場合には、贈与税の基礎控除に先立って贈与税の配偶者控除を行うのであるから留意する。(昭41直審(資)5追加、昭50直資2-257改正)
(贈与税の配偶者控除の場合の婚姻期間の計算)
21の6-7 法第21条の6に規定する婚姻期間を計算する場合において、その計算した婚姻期間に1年未満の端数があるときであっても、その端数を切り上げないのであるから留意する。したがって、その婚姻期間が19年を超え20年未満であるときは、贈与税の配偶者控除の適用がない。(昭46直審(資)6追加、昭50直資2-257改正)
(法第21条の6第1項に規定する「当該配偶者」の意義)
21の6-8 法第21条の6第1項に規定する「当該配偶者」とは、今回の贈与者である配偶者をいうものであるから留意する。(平元直資2-207追加)
(信託財産である居住用不動産についての贈与税の配偶者控除の適用)
21の6-9 受贈配偶者の取得した信託に関する権利(法第9条の2第6項ただし書に規定する信託に関する権利及び法第9条の4第1項又は第2項の規定により贈与により取得したものとみなされる信託に関する権利を除く。)で、当該信託の信託財産に属する資産が次に掲げるいずれかのものである場合には、当該信託に関する権利(次に掲げるいずれかのものに対応する部分に限る。)は、居住用不動産に該当することに留意する。(平19課資2-5、課審6-3追加、平20課資2-10、平28課資2-13、課審7-9改正)
- (1) 当該信託の信託財産に属する土地等又は家屋が居住用不動産に該当するもの
- (2) 当該信託の委託者である受贈配偶者が信託した金銭により、当該信託の受託者が、信託財産として取得した土地等又は家屋(当該信託の委託者である受贈配偶者が信託した金銭(法第21条の6第1項に規定する配偶者から贈与により取得した金銭に限る。)により取得したもので、かつ、当該金銭に対応する部分に限る。)が居住用不動産に該当するもの
この場合において、受贈配偶者が、法第21条の6第2項の規定により贈与税の申告書に添付すべき法施行規則第9条第2号に掲げる居住用不動産に関する登記事項証明書その他の書類で当該贈与を受けた者が当該居住用不動産を取得したことを証するものについては、上記(1)の場合には、当該土地等又は家屋に係る信託目録が含まれた登記事項証明書その他の書類で不動産登記法(平成16年法律第123号)第97条第1項各号に掲げる事項を明らかにするもの、上記(2)の場合には、当該信託の受託者が信託財産として当該土地又は家屋を取得したことを明らかにするものが必要であることに留意する。